7月19日に行われた第169回芥川賞・直木賞選考会が開かれ、市川沙央さんが芥川賞初の障害者受賞者となりました。
市川さんとは一体どんな人物なのでしょうか?
記者会見での最後の一言が物議をかもしている事などについても調べていきたいと思います。
市川沙央のプロフィール
プロフィール
名前:市川沙央(いちかわさおう)
生年月日:1979年
出身地:神奈川県
性別:女性
職業:小説家
小説家としての活動は20年以上あるそうです。
執筆作業はベッドに仰向きに寝てiPad miniをゲーム機のように持ち入力している。
市川沙央の経歴
・病気は幼い頃から分かっていた
・14歳の頃に念のためにした入院中に意識を失い、目覚めたときには人口呼吸器がついていた。
・それからは療養生活という名の引きこもりになる
・20歳を過ぎて就職の時期だと思った時に、家から出られず話も出来ない自分に出来る事を考え、小説家の道を選んだ。
筋疾患先天性ミオパチーという病気のため、人口呼吸器や車いすでの生活をしている市川さんにとって、書くという事は大事なコミュニケーションという事ですね。
小説家になってから
・島田雅彦のファンだったので、当時選考委員を務めていた「文學界」に応募しようとしたが、400字詰め原稿用紙5枚も書けずに純文学は断念。
・小学5年生の頃から読んでいたコバルト・ノベル大賞(現・ノベル大賞)に方向転換
ちなみに、20年以上皆勤賞で、最高は三次選考だそうです。
・多い時には350枚程度の応募作品を年に3本書いていた
・2022年の夏に早稲田大学の通信課程の卒論中、『障害者表象』という思いテーマと向き合っていたが、心が荒み、ドロドロしたものをぶつけるのは純文学しかないと思い執筆。
・卒論とエンタメ系文学賞・魔法のiらんど大賞と並行して作成。執筆期間は1ヶ月
・卒論は学内賞である小野梓記念学術賞を受賞
・『ハンチバック』は市川さんにとって裏卒論。
市川さんは執筆作業が行き詰ったらピアノを弾くそうです。
散歩の代わりの気分転換の方法なんだとか。
市川沙央の難病という病気はいつから?
14歳の頃に人口呼吸機をつけたと先ほど紹介しましたが、病気は幼い頃から分かっていたそうです。
市川さんは『筋疾患先天性ミオパチー』という病気です。
筋疾患先天性ミオパチーとは?
生まれながらに筋組織の形態に問題があり、そのため生後間もなく、あるいは幼少期から、「筋力が弱い」、「体が柔らかい」などの筋力低下に関わる症状を認める病気です。
難病情報センター
2015年に指定難病とされました。
筋肉の病気という事です。
遺伝子が影響しているようなのですが、原因は全てが明らかになっているわけではなく、解明されていない事も多いそう。
少なくとも半分以上の方が、原因となっている遺伝子が不明で確定されていないとの事でした。
筋力低下や呼吸、心臓、関節などの症状が現れ、ゆっくり進行していく病気だそうです。
国内には1000人~3000人程患者がいます。
市川さんは話しをする事が出来ますが、体力がとても必要になり、またリスクもあるそうです。
そのため、自分には書く事しかないとおしゃっていました。
市川沙央の経歴プロフィール まとめ
今回は、芥川賞を受賞された市川沙央さんについてまとめてみました。
病気のため、人口呼吸器や車いすで生活する事になった時に引きこもった時期がありましたが、自分の将来を考え、小説家になると決めてからは、20年以上も執筆作業を続けていました。
作品を書き続けてきた理由には『読書バリアフリー』が進んでいくために続けてきたそうです。
視覚障害者など、誰でも読書を楽しむ事が出来る環境を作るという事。
障害がある方達が簡単に読書をすることが出来るようにしたいという強い意志を感じます。
受賞会見の際のコメントも話題になっていますが、こういう意志があるからの発言だったのでしょう。
「芥川賞に重度障害者っていうのが受賞するのも、あまりなかった。初だと書かれるんでしょうが、どうしてそれが2023年になって初めてなのか。それをみんなに考えてもらいたいと思っております」
誰もが、当たり前に読書が出来る環境という事を私も考えてみたいと思いました。
ぜひ、そのような世の中になる事を願います。